浦島たろこさんは虐待サバイバー

妊娠出産を機に自分が虐待されていたことに気付き、うつ病になってしまった二児の母です。過去のトラウマとうまく付き合っていくために、自分の素直な気持ちや日常を綴ります。

朗読会で気付いた「壁」の話


6/22名古屋市の東生涯学習センターで開催された「日本一醜い親への手紙」の朗読会に参加してきました。



参加者さん達は、虐待について勉強されたり、ご自身の中で考えを深められている方ばかりで、本当にすごい!とひたすら感心しっぱなしでした。



主催者の古家月日さんに快諾いただき、私もオリジナルの父に宛てた手紙を読ませていただきました。

 

人様の前で父の異常な振る舞いを話すことが恥ずかしく、ちゃんと朗読できるかギリギリまで不安だったのですが、無事最後まで読むことができました。



手紙という形式はすごいアイデアだと思います。



朗読していると、父と自分だけの世界に入っていく感じで、周りに人がいることが気にならなくなってきました。



手紙の中に、父が唯一私を守ってくれた思い出を書いたのですが、その部分を読みながら、その時の父に戻ってきてほしいと思いました。



月日さんやナギヒロさんの朗読にも胸を打たれました。



そして、虐待について話し合っている中で、特に印象に残ったのがAPU家族研究会の磯村さんのお話です。



虐待被害者と接した経験のある磯村さんは、被害者からの「あなたは虐待されたことがないからわからないだろうけど」といった言葉に、壁を感じたそうです。



ドキッとしました。



私も「虐待されてない人に分かるもんか」という感情を捨てきれないからです。



これは一般的な家庭で育った人に対する、逆差別なのかもしれません。



虐待サバイバーの多くは、虐待の経験を人に話し「過去のことでしょ」「生きていられただけマシ」「子を愛さない親はいない」などといった言葉に傷ついた経験があると思います。



その結果、虐待サバイバーは世間に壁を作ってしまうのでしょう。



双方の間にあるこの壁を虐待サバイバーの側からも壊していけたらいいなと思いました。




余談ですが、私は作家の野坂昭如さんの大ファンです。



野坂さんは「男と女の間には暗くて深い川がある」と歌っていました。


サバイバーと世間の間にもきっと暗くて深い川があるんだと思います。


そんな川に船を出したい人がいるなら、私は応援したいです。